Sometimes Happy

縁のひとりごと

ジャッキー、恐るべし!

先週の土曜日のことをやっと書こうと思います。
京都市左京区にある京都造形芸術大学へ行ってきました。
大学の中に、「京都芸術劇場 春秋座」というホールがあり、そこで「瀬戸内寂聴先生に辻仁成が尋ねる秋の夕べ」という講演会があったんです。

今年から京都造形芸術大学で小説の書き方を教えていらっしゃる辻さんが、第一線で活躍されている作家の方を迎えて、お話を伺うというシリーズの第1回。
寂聴さんのお話を聴きたいという学生たちの希望があったそうです。
なので、普通の講演会とは少し違って、前の方に座っている学生たちの質問に寂聴さんが答える形でお話が進んでいきました。
私たち一般の人々の質問にも答えてもらえましたよ。
寂聴さんと辻さんは、飛行機で偶然席が隣になったことからお知り合いになったそうで、まだ辻さんが小説家になる前からの長いお付き合いなんだそうです。

テレビで法話をされている寂聴さんを何度か見て、一度生でお話を聞いてみたいと思っていたのですが、いや〜面白かったです
なんかね、それがごく当たり前の話であっても、齢85歳の寂聴さんの口から聞くと、とってもありがたい気持ちになってしまうんですよ。
うーん、いいお話をいっぱい聞いたはずなのですが、記憶力が悪いので、1週間が経った今、思い出すのはおかしな話ばかり。。。

「好きな人はいるけど、恥ずかしく告白できないんです」という女の子に、「あなた、携帯は持っているの?ハートマークをいっぱいつけて送るのよ」とか(寂聴さんは誰にも教えてもらわずに、1ヶ月で携帯の使い方を覚えたそうです)。
恋に悩んでる男の子に「あなたのような方は年上がいいです。飲み屋のお姉ちゃんなんかがいいわ」とか(「はい。わかりました」って男の子は答えてました)。

真面目な話も思い出しました!
「小説家になるためにはどうしたらいいのか」という質問に対しては、「小説をたくさん読みなさい。世界各国の小説、日本の明治以降の、今も世に残っている小説。源氏物語あさきゆめみし→寂聴さん訳→原文という感じで読んでいくとわかりやすい)。ベストセラーは読まなくてもいい」とか、「日本には懸賞がたくさんあるので応募しなさい。佳作にも引っかからないようでは駄目」とか。
「芸術は1に才能、2に才能、3に才能。それに、チャンス」ってお話もありましたね。 あっ、またおかしな話を思い出しました。
寂聴さんと辻さんの共通の編集者の人が少し前に亡くなったそうなのですが、「いい方でしたね〜」って話をしてたのに、寂聴さんの「あの方は○○さんと結婚してたけど、○モだったのよね」などという真顔での爆弾発言?があり、辻さんが隣で固まってましたね
そうそう、それと寂聴さんは51歳で出家した時に、マスコミにいい加減なことを書かれたそうです。
たとえば「男と別れたから出家した」みたいなこととか。
「違うんですよ。私にはその時恋人が3人いましたから」なんておっしゃるから、みんな大笑いでした。
3人ですよ!かっこいいとか思っちゃいましたよ。
2人くらいなら、結構いるかもしれないけどねぇ。
でも、それも何だか忙しそうだなあとも思ったり。ははっ。
それと「どんな人も死ぬんです。”私は死なないわ”っていう人がいたら、今すぐ病院へ行ってください!」っていうのも笑いましたね。

「生きることは愛すること。愛とは与えること」って話もありましたね(真面目なことも思い出してよかった・・・)。
とにかく「ジャッキー、恐るべし!」(辻さんの息子さんは、彼女をジャッキーと呼んでるそうです)という感じの、とっても濃い2時間でした。
辻さんのことも、私勝手に変わった人かと何故だか思っていたのですが、いたって普通のお兄さんでした。
一緒に行った母も喜んでいました。
これで無料でいいのか?みたいな。

来年は嵯峨野の寂庵に行って、お話を聞いてみたいなあと思います。
競争率がかなり高そうですけどね。