Sometimes Happy

縁のひとりごと

京おんな モダン・ストーリーズ

京都で生活する17人の女性たち(出身地はさまざま)のインタビュー集。

近代ナリコ著「京おんな モダン・ストーリーズ」(PHP研究所

この中に登場する小川流煎茶家元師範である今橋治楽さんのお話を読んでいたら、わかるわ〜!と思うところがいっぱい出てきました。
たぶん京都の人じゃなくても、わかるよーって方はいらっしゃると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

京都は、あ、うんの呼吸みたいなものがあって、察しの文化でしょ。全部はいわはらへん。「あとは、あなたの考えでよしなにしておくれやす」やないけど、押しつけへん、でもそこが難しいのよ。


でも自分の気持ちを言いたいというときに、ストレートでなく、ほわーんとそこらへんのところを言う。自分の存在を感じさせる。表だって言わへんけど。ほんまに察し合いよ。それぞれ個性があって、考えも違う。そやけど一緒に生きていかならん。だからそれぞれのありようを見極める。


あのね、京都はね、子どものころからわかってんの。(中略)腹立てて、ものを投げたりとかやなくて、腹におさめる、みたいな大人の姿をよく見るのね。怒るんやなくて、飲み込まはる。でもそのままいくんやなくて、いつかは消化さして、出さはるんやと思うんですね。ごまかしきかへんのはわかってるから、言うてもあかん人に、何か言うより、やめとこ、となる。自分の美学が崩れてしまうし、ここを侵されてはかなわん、というときは、自分から引くのよ。攻めてはいかない。攻めるのは勝ちではなくって、自分の理想をつらぬくほうが勝ちなのよ。

小川流煎茶家元師範 今橋治楽さん
「京おんな モダン・ストーリーズ」
近代ナリコ著(PHP研究所


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私も自分の考えをつらぬきたかったけど、できなかった。。。
以前は起こった出来事がかなしい・・・という気持ちが強かったけど、時間が経った今では、辛抱できなかったことが情けなくて、思い出して悔し泣き・・・なんてことがあったり。
それでも前にくらべたら、めちゃめちゃ平和だけどね