Sometimes Happy

縁のひとりごと

「沖で待つ」を読んで

絲山秋子さんの「沖で待つ」(文藝春秋)を読みました。
勤労感謝の日」「沖で待つ」という2つのお話が収録されています。

勤労感謝の日」は面白くて、だぁ〜〜〜〜っと読み進み、最後にほろっとさせられました。
わかるよぉ〜と何度思ったことか(^^)。
私と主人公の恭子さんは、気が合うかもね、と思ったり。
たくさんの元気をもらいました。

沖で待つ」は、この度の芥川賞受賞作です。
同期入社である男女の友情が描かれています。
いつもの絲山さんの文章とは違って「です」「ます」調。
最初は淡々と読んでいた私ですが、後半に入るとさすがに悲しくなり、主人公の女性、及川さんが「太っちゃん」こと牧原さんが綴ったノートを読むあたりで、ううぅ・・・・・っと泣けてきました。
いいお話ですよ〜。

及川さん、太っちゃんの2人だけでなく、他にもいい感じの人が登場してきますが、私が一番好きなのが、及川さんの上司の副島さん!
面白いし、たまにポンといいことを何気に言ってくれたり、お茶目なところもあって、かわいらしいんですよね。
副島さん、独身かぁ・・・(って何を言っているんだか)。
いや、でもね〜たぶんモデルになった人がいると思うんですよ。
ねぇ、絲山さん?
副島さんの物語も読んでみたいなあと思いました。

今回は、表紙の写真がとても素敵です。
帯には、「すべての働くひとに」と書いてあります。
30代から40代の頑張っている人たちにぴったりの1冊だと思います。